芸術は爆発だ

10億年前から6億年前にかけて、真核生物の一部は多細胞化していきました。このころ、2回目の全球凍結が起きたとされています。この厳しい環境の中を、多細胞生物は生き残ったのです。ちなみに、動物や植物はそれぞれ別々に多細胞化していったとされています。これは、多細胞生物になる前の単細胞生物のころから、多細胞になるための機能を持っていた可能性を示していますが、それはよくわかりません。さて、ここからは多細胞化した動物に目を向けて話を進めてゆきます。もっとも原始的とされる動物はカイメン(海綿)と呼ばれる動物です。また、クラゲやサンゴ、イソギンチャクなどの刺胞動物もかなり古い歴史を持っています。人間へとつながる系譜は、刺胞動物の系譜から分岐したようです。刺胞動物から分岐した後、われわれの祖先が最初に手に入れた特性は、左右相称という特性です。クラゲ等は、左右対称ではなく、点対称ですよね。このように、分岐するとともに、特性が変化していきます。左右相称の次には、旧口動物と新口動物が分かれたとされています。これは、生物の発生段階において生まれる原口付近に、口ができるのが旧口生物、肛門ができるのが新口動物という違いです。旧口動物はさらに、触手冠動物と脱皮動物にわかれ、触手冠動物は貝やタコに、脱皮動物は虫やカニにつながる系譜になります。新口動物のほうは人間につながる系譜で、ヒトデやウニなどの棘皮動物から別れ、脊索をもった脊索動物となり、さらに脊椎を持った脊椎動物へと分岐してゆきます。このような基本的な体の構造は、約五億年前、カンブリア紀のころまでにはすべて出揃ったとされています。また、今ではすでに絶滅してしまった奇妙な動物(古虫類やオドントグリフス)もたくさん存在していたようです。おそらくその前後の地球は当時の生き物にとってかなり住みやすい環境だったのでしょう。