歴史は虐げられた物が制す。

基本的な生き物が出揃ったカンブリア紀。そのころもっとも繁栄した動物は、脱皮動物の一種である節足動物の、三葉虫と呼ばれる動物でした。しかし、カンブリア紀を過ぎてオルドビス紀に入ると、原索動物の筆石や、軟体動物のオウムガイなどが勢いを強めます。カンブリア紀に生まれた脊椎動物も少しずつ増えてゆきますが、生態系の主役ではありません。このころは無顎類と呼ばれる、まだあごを持たない魚しかいませんでした。オルドビス紀の終わりごろ、寒冷化や、海水面の低下などにより大量絶滅が起こります。これにより、三葉虫などはかなりの打撃を受けます。かわって台頭したのは、ウミサソリと呼ばれる生物で、名前の示すとおりサソリに近い姿をしています。オルドビス紀の次のシルル紀には、脊椎動物も種類を増やしてきます。無顎類からは、いわゆる甲冑魚とよばれる魚がでてきます。またそれとは別に、棘魚類や板皮類など、あごを持つ魚も分岐してきました。シルル紀の次のデボン紀には気候が安定しこれらの魚たちが一気に繁栄します。ついに生態系の主役が脊椎動物に移ったのです。