予測市場を、証券取引で例えようとするからわかりにくくなるんだ論
予測市場厨としては、予測市場の普及に貢献するために「予測市場をわかりやすく説明する例え話」の開発をしなければならないと思ったわけで。世代的に、よりテレビゲーム的な例えにならざるをえない訳で…。
予測市場とは、食い違う2つの予測が正しさを賭けて戦う闘技場だ論
闘技場にやってきた参加者は、参加する予測市場に「エントリー」あるいは「チャレンジ」を行うことで市場に参加する。その際自分が所持するポイントを参加料として支払う*1。誰かのエントリーにチャレンジするか、自分のエントリーにチャレンジを仕掛けられると、バトルがマッチングされる。
エントリー
証券取引で言うところの指値注文。
新商品の売上個数を予測する市場で考える。
参加者はその売上個数について「売上は○個より多い」「売上は○個より少ない」のどちらかの予測を表明することでエントリーできる。とりあえず何人かエントリーした状態を出してみる
順位 | 参加者名 | より多い | 参加者名 | より少ない |
1位 | Aさん | 120個 | Zさん | 130個 |
2位 | Bさん | 110個 | Yさん | 140個 |
3位 | Cさん | 100個 | Xさん | 150個 |
4位 | Dさん | 90個 | Wさん | 160個 |
「より多い」にエントリーした人は、より大きい予想をした人が上位にエントリーされる
「より少ない」にエントリーした人は、より小さい予想をした人が上位にエントリーされる
エントリーに必要な参加料は、予測の値によって決まる。Aさんは120pt、Bさんは110pt、Zさんは130ptを支払う。
チャレンジ
証券取引で言うところの成行注文。
上記のエントリーリストを見ながら考える。
参加者は、エントリーした他の参加者の中で、最上位の予測をした参加者に対し、チャレンジを挑むことができる。チャレンジとは、Mさんが、上記のAさんに対してチャレンジを挑んだ場合「Aさんは120個より多いと予測しているが、Mさんは120個より少ないと予測する」ということに相当する。チャレンジを受けたAさんのエントリーは、エントリーリストから除去されて、MさんとAさんのバトルがマッチングされる。
チャレンジに必要な参加料は、チャレンジ対象のエントリーの参加料と同額となる。
バトル
新商品の売上は110個となり、結果が確定すると、MさんとAさんのバトルも勝敗が決定される。つまり、120個より少ないと予測したMさんがバトルに勝利し、120個より多いと予測したAさんがバトルに敗北ということになる。このとき、負けたAさんは、勝ったMさんに、バトルが発生した予測の120ptと、実際の売上110ptの差10ptを、報酬として支払う。また、エントリー時、チャレンジ時に支払った参加料は返還される。
チャレンジを受けなかったエントリーの参加料も返還される。
トレード
AさんとMさんのバトルがマッチングされた後、エントリーリストが次のようになる。
順位 | 参加者名 | より多い | 参加者名 | より少ない |
1位 | Bさん | 150個 | Zさん | 160個 |
2位 | Cさん | 140個 | Yさん | 170個 |
3位 | Dさん | 130個 | Xさん | 180個 |
4位 | Eさん | 120個 | Wさん | 190個 |
この時、AさんはBさんにバトルを譲る事ができる。この時、Bさんは参加料の代わりに、150ptをAさんに支払う。Aさんは参加料120ptを払って150ptを得たので、30pt得をしたことになる。
バトルはBさんとMさんのバトルになり、もし結果が上記と同じ110ptなら、Bさんは、Aさんが払った参加料120ptを返還してもらって、Mさんへの報酬10ptを支払うことになる。150ptを払って110ptを得たので、40ptの損。
結果が160ptだった場合は、Bさんは参加料120ptの返還と、Mさんからの報酬40ptを得ることになる。150ptを払って160ptを得たので、10ptの得となる。
*1:参加料の名目は、バトルの勝敗がついた時、負けたほうが勝った方に払う報酬の保証金