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6500万年前までに。地球のあらゆる場所を制した双弓類は、そのほとんどが絶滅しました。原因としてよく言われるのが、ユカタン半島に落ちた巨大隕石です。しかし、隕石が落ちる前からかれらは数を減らし始めていて、その原因はよくわかりません。地上のあらゆるところを制した彼らがほとんど絶滅した6500万年前の後は、いったいどんな生物が生き残ったのでしょうか。じつは、かつてペルム紀に繁栄したものの、ペルム期末の大絶滅でほとんど姿を消した単弓類の中から、哺乳類と呼ばれる仲間が分岐していたのです。かれらは双弓類が繁栄していた間、彼らの世界の隙間にひっそりと生きながら、少しずつ体を進化させながら繁栄のときを待ち続けてきました。そして、6500万年前の大絶滅を乗り越えたかれらに、ようやくチャンスがめぐってきたのです。それはまさに、単弓類のリベンジといえるものでした。また、双弓類からも、羽が生え、空を自由に飛べるようになった鳥類が分岐していて、彼らも6500万年前を生き残りました。これから始まる、新生代は彼らの時代になります。